転造ネジ加工とは
ねじの精度と量産性を両立する「塑性加工技術」
転造(てんぞう)ネジ加工とは、金属の塑性(そせい)を利用してねじ山を形成する加工方法です。切削ではなく、圧力を加えて金属を変形させることで、母材を削らずにネジ形状を成形します。これにより、ねじ山表面が滑らかで強度に優れたねじを生産することができます。
切削ねじ加工との違い
項目 | 切削ねじ加工 | 転造ねじ加工 |
---|---|---|
加工方法 | 刃物で金属を削ってねじを作る | 圧力をかけて金属を変形させて作る |
表面粗さ | やや粗い | 滑らか |
強度 | 切削により母材が弱くなる可能性 | 繊維構造が保たれ高強度 |
コスト | 小ロットに向いている | 大量生産に適しておりコスト低減 |
転造加工のメリット
- 高強度:金属の流れ(メタルフロー)が断ち切られないため、ねじの引張強度・疲労強度が高くなります。
- 高生産性:短時間でねじ加工が可能なため、大量生産に適しています。
- 工具寿命が長い:切削と比べて刃物の摩耗が少なく、ランニングコストが抑えられます。
- 寸法安定性が高い:ねじの外径やピッチが安定し、品質にばらつきが少ないです。
加工対象サイズと用途(株式会社永山の場合)
当社では、Φ3mm~Φ25mm程度のシャフトを対象に、転造ねじ加工を行っております。長さ25mm~1000mmまで対応可能で、以下のような用途に多く採用されています。
- 建築金物
- 自動車部品
- 家電や住宅設備の取付部品
- 頭部なしボルト(両端ネジ加工など)
まとめ
転造ねじ加工は、高精度・高強度・高効率を実現する加工技術として、現代の量産製造現場に欠かせない存在です。
株式会社永山では、長年の実績と専用設備により、お客様のニーズに応じた転造加工を安定してご提供しています。
「削らずに、強く、美しく」——転造加工のご相談はお気軽にお問い合わせください。